実践者と研究者の視点の交わりをあらわし、アーカイブを活かす/Regenerative Life Dialogue (あいだの探索・実践ラボ)

プロジェクト紹介

概要

制作時期:2022年10月〜
ご依頼者様あいだの探索・実践ラボEcological Memes)さま
制作したもの:オンライン対話のグラフィックレコーディング

  • いただいた期待
    ・当日のゲストによるインプットから、メンバー同士の対話への振り返りへの接続となるふり返り
    ・手にとった人が内容に興味を持ち、アーカイブ動画を見たくなるような要約
  • 取り組んだこと
    ・非言語表現を含めた、対話のテーマやエッセンスの表現
    ・全体の話題を俯瞰した対話の視覚化
  • 実ったこと
    ・当日のふり返りの実施での活用
    ・アーカイブとしての活用

取り組みについて

「これからの時代のヒトと環境の関係性を二元論を超えて問い直し、再生・共繁栄的な未来に向けてコトを起こしていく探索・実践のための共同体」をテーマに活動されている、あいだの探索・実践ラボさん。

『ヒト「対」環境ではなく、ヒト「と」環境へ。』
『ともに繁栄していくには?ヒトと環境の「あいだ」とは?』
『ヒトと環境の「あいだの回復・生成」とは?』

そんな問いをもとに、をテーマに、エコロジー×ビジネス×デザインの各領域を横断した学び直しと、フィールドワークや学びの場を作っています。

そんな学びの場の一つが、今回の「Regenerative Life Dialogue」です。
各地の実践者と、生態系に関わる研究者を招き、視点の交わる点やそこからの知恵を探ります。

あいだラボでは、これまで探求してきたエコロジー(あいだの生態系研究所)と
ビジネス(あいだの哲学道場)の領域を重ね合わせながら、人か自然かの二元論を超えた実践や在り方を探求していく新企画「Regenerative Life Dialogue」がスタートしました。

自然生態系とのつながりを活かし育みながら事業を営む実践者と、
生態学をはじめとする生態系に関わる研究者をお招きし、「生命の循環と社会のあいだをつなぐ人の営み」の知恵を探ります。

自然環境や生態系の再生と人の経済活動はいかにして両立出来るのだろうかーー

Regenerative Life Dialogue vol.1【海】地域社会と生態系を共繁栄させるエコツーリズム(江崎貴久氏×田中克氏)(Peatix)

アラワス(関美穂子)では、ゲストのプレゼンテーションやゲスト同士の対話のグラフィックレコーディングを行いました。

制作物

第1回「【海】地域社会と生態系を共繁栄させるエコツーリズム」

ゲスト
・江崎 貴久氏(有限会社オズ代表)
・田中克 氏(京都大学名誉教授・舞根森里海研究所長)

鳥羽市のフィールドを中心に、自然や生活文化を通して漁業と観光、教育と環境を結び一体化させたエコツアー「海島遊民くらぶ」は年間20種類以上のエコツアーを観光客に提供しています。

6名の女性スタッフと専属漁師部のスタッフ、漁協や漁師、飲食店や加工業者など多様な事業者が連携することで、観光開発のために何も壊す事なく、あるがままの地域を生かし、年間7000名を受け入れています。

本セッションでは、資源循環や経済の仕組みだけでは機能しないエコツーリズムの本質を、「海島遊民くらぶ」を運営する有限会社オズの代表、江崎貴久氏、森里海連環学 田中克氏と共に探っていきます。

Regenerative Life Dialogue vol.1【海】地域社会と生態系を共繁栄させるエコツーリズム(江崎貴久氏×田中克氏)(Peatix)

当日は、鳥羽での暮らしとのつながりを入り口に自然の大切さを伝えるエコツーリズムの実践を舞台に、地域振興と多様な生態系との繋がり、自律分散型のコミュニティベースのツーリズムについて話されました。

グラフィックレコーディング
・1枚目…有限会社オズさんが鳥羽で取り組むエコツーリズムの特徴や大切にしていることを中心に構成
・2枚目…問いをもとにした対話を、話の繋がりやポイントを強調して構成

第2回「 【菌】いのちめぐる酒造り ー微生物とヒトが共に醸す経営ー」

ゲスト
・寺田 優氏(寺田本家 第24代目当主)
・大室 悦賀氏(⻑野県立大学 グローバルマネジメント学部教授 ソーシャル・イノベーション創出センター⻑ )

生命(いのち)の視点で、人様のお役に立つ、本物のお酒を。
酒米や麹にこだわり、自然の働きを活かした酒造りを追求する酒蔵「寺田本家」。
自然酒「五人娘」をはじめ、全15銘柄の酒造りに、蔵付きの菌を使った「自家製の種麹」を利用し、自然の働きを生かした酒造りをするこだわりは、酒造業界だけでなく、発酵業界や料理業界からも注目を浴びています。酛すり唄をうたいながら一丸となって酒母づくりのための工程を作業する「山卸」は、人間と菌類が共に歓喜に包まれるような一体感と高度な共存を生み出しているといいます。

本セッションでは、寺田本家 第24代目当主 寺田 優氏をお招きし、菌たちをはじめ、水や森など周辺の自然環境を含めた生命(いのち)と共にある事業経営について、ソーシャルイノベーション研究者 大室 悦賀氏と共に探ります。

Regenerative Life Dialogue vol.2 【菌】いのちめぐる酒造り ー微生物とヒトが共に醸す経営ー(寺田 優 氏 × 大室 悦賀 氏)(Peatix)

当日は、350年前から行う微生物が主役の酒づくりの実践を舞台に、ものづくりと環境の繋がりや菌や自然環境とともにある経営やビジネス、会社という「生き物」、目的からスタートせずあるがままを受け止め楽しむものづくりなどについて話されました。

グラフィックレコーディング
・1枚目…寺田本家さんが行う微生物が主役の酒づくりの背景や仕組み、大切にしていることを配置する構成
・2枚目…参加者を交えた自由な対話を、菌とダンスして漂うようなキービジュアルを中心に構成

第3回「【森】森を育むものづくり — 気候風土に根ざしたファブリケーションとデザイン人類学の交わり ー」

ゲスト
・高室(松山)幸子 氏(一般社団法人パースペクティブ 共同代表)
・森田敦郎 氏(人類学者 )

自然環境とものづくり。工藝の「藝」の文字が、人が苗を捧げ持って植えようとしている姿を形取ったものだったように、本来は密接につながり、相互に関わり合っていたはずの両者は、工業化された現代の消費生産と流通の仕組みのなかで、いつしか乖離してきました。

本セッションでは、森づくりとモノづくりをつなぎなおす「工藝の森」というコンセプトのもと京都・京北を拠点に活動する一般社団法人 パースペクティブ 共同代表 高室(松山)幸子さんと、高室さんと活動を共にする人類学者・森田 敦郎さん(大阪大学)をお招きし、森林の生態学的リズムとモノづくりのサイクルを結びつけ直す試みに迫ります。

お二人は、工藝、デジタル・ファブリケーション、エスノグラフィをツールに、林業、製材業、モノづくりのリズムを同期させる実験の場 Fab Village Keihoku (FVK) の設立準備を進めています。FVK のキーワードであるヴァナキュラー(土着的/地域的)なモノづくりに注目しながら、森とモノづくりをつなげる「工藝の森」のヴィジョン、木材流通の課題とデジタル化の役割、環境、テクノロジー、経済の絡み合いを読み解く上でのエスノグラフィと「作ること」、プロトタイピングの意味などについてお話を伺います。


Regenerative Life Dialogue vol.3 森を育むものづくり — 気候風土に根ざしたファブリケーションとデザイン人類学の交わり ー(高室幸子 氏 × 森田敦郎 氏)(Peatix)

当日は、社会的広がりや複雑な分業によって成り立つ日本の工藝と、それを育む自然環境や、工藝とデザイン人類学との交わりあいについて話されました。

グラフィックレコーディング
・1枚目…高室さんと森田さんの接点と、人が工藝を産業として社会的に行うキービジュアルを中心に構成
・2枚目…工藝とデザイン人類学の関わりを表現

第4回「【土】ー土壌環境とヒトの営みをつなぐリジェネラティブな在り方ー」

ゲスト
・松坂 愛友美氏(DYCLE 共同創業者)
・德地 直子氏(京都大学フィールド科学教育研究センター 教授)

土に還るおむつを起点とした循環サイクルを実現するベルリン発のスタートアップ・DYCLE(ダイクル)。
グンター・パウリ氏が提唱している経済システム「ブルーエコノミー」という理念に基づいたDYCLEのビジネスモデルは、自然の生態系から着想し、「成長の限界」を克服し、「ゼロ・エミッション」を実現する経済モデルです。
赤ちゃんのおむつを堆肥化することから始まる自然界の生態系の多様な循環は、肥料成分である窒素が深く関係していて、あいだの生態学研究所で学んだ德地 直子氏による窒素循環のテーマと響き合います。

地球上の窒素は、元素単位ではその量は一定で、基本的には地球というひとつの閉じられた空間の中で循環することによって生物に利用されて来ましたが、現在は大気中の窒素ガス(N2)から工業的にアンモニアが作られ、また生物由来の化石燃料である石油や石炭が大量に用いられるようになり、自然の循環バランスが崩れてきて、環境の大きな問題となっています。

非常に複雑な窒素循環の現状と、人間はどのように向き合う必要があるのでしょうか。

本セッションでは、堆肥からリジェネラティブビジネスを創造する起業家の松坂 愛友美氏と、京都大学フィールド科学教育研究センター 教授・德地 直子氏、それぞれの立場からの「土壌」に対する活動を知り、学びを深めていきます。

Regenerative Life Dialogue vol.4 ー土壌環境とヒトの営みをつなぐリジェネラティブな在り方
ー( 松坂 愛友美氏 × 德地 直子氏)

当日は、地球上での窒素循環のモデルや人間によるバランスの変化や、おむつの堆肥化による循環の実践について話されました。

グラフィックレコーディング
・1枚目…人間の活動と自然の窒素循環の関わりを中心に構成
・2枚目…松坂さんたちによるおむつの堆肥化活動の背景や実践の過程、ビジョンを表現

制作データの活用

制作したグラフィックレコーディングは、プロジェクトのライブラリーページと、メンバーのSlackページにアーカイブされています。

あいだの探索・実践ラボさんの活動への興味の入り口として、またメンバーの皆さんのアーカイブ動画への興味の入り口としてご活用いただいています。


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