概要
制作時期:2021年5月〜7月
ご依頼者様:株式会社スタイリッシュ・アイデアさま
制作したもの:イベント中のデジタルグラフィックレコーディング1〜2枚×5回
(iPadで制作、ビデオ会議サービスzoomでリアルタイム配信)
- 期待
【当日】話の内容をその場で視覚化し共有することで、対談の内容を深めたい
【後日】イベントの要点を捉えたグラフィックをアーカイブしたい - 取り組んだこと
対談をグラフィックレコーディングして制作の過程からリアルタイムで投影。
途中でトーク内容の振り返りや、描いて気づいたこと、感じたことをフィードバック - 実ったこと
グラフィックレコーディングで、イベント中に話される内容の
1)話の一番のポイントを見つけ、中心の核として表現
2)核を軸として、話の要素ごとの関係を、視覚的に構造化
することで、関が話を聞いて感じた主観的な感想をその場で視覚的に共有。
対談を深める素材して活用された。
また、SNSのシェアやウェブサイトでのアーカイブなど、記録として活用された
どんなイベント?
未来がどうなるかは、誰も分からない。
そんな変わり続ける不確実な未来を予測するためにシナリオプランニングという手法があります。
今回は、シナリオプランニングを専門としているコンサルティング会社のスタイリッシュ・アイデアの新井さんが、「組織、事業、デザイン、創造」それぞれの専門家と対談することで、その可能性を考えることを目的として開催されました。
『実践 シナリオ・プランニング』(日本能率協会マネジメントセンター)の出版を記念して、6月にシナリオプランニング活用の可能性を考えるための対談イベントを開催します。
『実践 シナリオ・プランニング』出版記念対談イベント【シナリオプランニング × ??】(Peatixイベントページ)より
『実践 シナリオ・プランニング』でも紹介したとおり、シナリオプランニングは、単に将来の起こり得る可能性を描くのではなく、検討した可能性をインプットとして、さまざまな施策の検討などにつなげたり、他の手法と組み合わせて活用します。
今回のイベントでは、そのようなシナリオプランニングの活用の可能性を考えることを目的として、【シナリオプランニング】×【??】をコンセプトに、さまざまな分野の専門家の方をお招きし、『実践 シナリオ・プランニング』の著者である株式会社スタイリッシュ・アイデアの新井が対談します。
以下は、それぞれの制作物です。
第0回(新井さん×担当編集者の柏原さん)
お二人が一番話が盛り上がった「未来創造ダイアログ」というワークを中心に、出版の動機や経緯といったストーリーを描きました。
▼ダイジェスト解説はこちら
【対談ダイジェスト】著者と編集者が語る「実践シナリオ・プランニング」(スタイリッシュ・アイデア)
▼第0回のみ動画公開中
第1回【 × 組織】 嘉村賢州さん
ゲスト:嘉村賢州さん/「ティール組織(英治出版)」解説者
「大きく未来を見ながら変化しつづける」というティール組織で大切なポイントに、シナリオプランニングが「未来を見るアンテナが立つ」ことが接点になると感じて、繋がりを表現しました。
また、未来へ向かう組織を、海に浮かぶ島に例えて中心に置きました。
第2回【 × 事業】小林弘人さん
ゲスト:小林弘人さん/株式会社インフォバーン共同創業者、代表取締役会長
「世の中のトレンドをつかみ自分たちで事業をつくっていくためには?」という全体の問いを目立つ形で置きました。
そして真ん中に、事業をつくっていく過程を表現。
足場の安定感を各過程の様子に例え、カラフルさで個々人の当事者性の発現や、組織内で横断的に取り組みが広がる様子を描きました。
また、複数人で未来を描き事業を考えている様子を、不確実な未来を描くシナリオプランニングとの共通点として大きな目立つ矢印で表現しました。
第3回【 × デザイン】篠原稔和さん
ゲスト:篠原稔和さん/ソシオメディア株式会社代表取締役、NPO法人 人間中心設計推進機構 理事長
これまでのモノ中心のものづくりから、使う人間を中心にしたものづくりに取り組む人間中心設計(Human Centered Design)。
そこでの「人間」を中心にすえて設計するために必要な発見と創造の繰り返しと、シナリオプランニングで未来のイメージを描くことの共通点を「誰も見たことのない未来の物語を目の前にありありと描く」ことと捉え、繋がりとして表現しました。
第4回【 × 創造】井庭崇さん
ゲスト:井庭崇さん/慶應義塾大学総合政策学部教授
シナリオプランニングと創造で共通する視点として「思考の土台」「型があるから発散できる」の2つが話されたので丸いマークと矢印で表現。
また、2つの取組みに共通するキーポイントが「名前をつけることで自分たちの言葉になる」だったので、関連箇所を目立つピンクで色を揃えて分かりやすく伝わるようにしました。
ご依頼者さまたちからの声
これまでいろいろな機会でグラレコと触れる機会がありましたが、その過程で持っていた印象は「ワークショップやミーティングなどに彩りを添えるもの」という感じでした。
ワークショップなどの結果をたしかにわかりやすく残すことはできるけど、そこから得られるものは自分たちがワークショップで得たものと同じか、どちらかというと端折られてしまっているものと感じることが多かったです。
今回、関さんにグラレコをやっていただいて、その印象が大きく変わりました。
今回は対談のグラレコをお願いしましたが、対談で話されていたことはもちろん、言葉になりきらなかったものの、対談者同士が大切だと思っていることを浮かび上がらせてくれるようなものを描いてもらいました。
それを対談の途中や、対談後に眺めることで、対談の場の内容や振り返りを一段深めてくれる役割をしてくれるグラレコだったなと思います。
実際に、自分自身、対談中は流れの中で何気なく話していたことでも、対談が終わったあとにグラレコを見ながら振り返りをして、新しい想いや言葉に気づくきっかけになったことが何度もありました。
私自身、シナリオプランニングに取り組む際、最終的なアウトプットを重視するのはもちろんですが、それだけではなく、そのアウトプットをつくるまでの過程で、考えている人たちが何を考え、どんな言葉を使っているのかも大切だと思っています。
ただ、そういう過程で起きていることを、あとになって記憶に頼るだけで振り返ることに難しさも感じています。
そう考えると、シナリオプランニングに限らず、ついつい流れていってしまうプロセスからの学びにも目を向けたい時には、関さんのグラレコがいろんな視点を持ち込んでくれるのではないかと思います。
今回のイベントではモデレーターを担当しました。 モデレーターの依頼を受けたとき、「各分野の専門家×新井さん」という企画、どんな話題が飛び出してくるか予想ができないけど、絶対に盛り上がるはずだと思いました。
そんな場を1回限りで終わらせてしまうなんてもったいない。
抽象度の高い話題に対応できるだけでなく、ふわっとした場の雰囲気まで描いてくれる関さん。彼女ならきっとその熱量まで残してくれるはず ! ということで、関さんを新井さんに紹介、今回のグラレコにつながりました。
イベント当日は対談の間に関さんのグラレコを使った振り返りを挟む形で進行。 話すことに集中していたお二人も、その時間は関さんの言葉を聞きながらグラフィックを使って流れを振り返ります。
するとそれがお二人の新たな発見につながり、後半はそこからさらに盛り上がる展開 ! 毎回「もっと聞きたかったです」という感想をいただくイベントになりました。
グラフィックレコーディングは出来上がったグラフィックに焦点が当たりがちです。でも、「描く人」がその場をどんな風に見ているかもとても重要ではないでしょうか。
今回、関さんは話された内容だけでなく、そこにいる人たちやその場に漂う熱量も感じながらグラフィックにしてくれました。グラフィックを見る人には、アウトプットとして眺めるだけでなく、ぜひ対談しているお二人の表情や声のトーンも想像してみてほしいなぁと思います。きっと熱量が伝わるはず !
今回、モデレーターを務めるにあたり一緒に場をつくってくれる関さんがいてとても心強かったです。
ぜひまた一緒にお仕事しましょう。ありがとうございました。
専門性が交差する場で、話の土台となるグラフィックレコーディング
今回は、専門領域が異なる2人の対談で見えてくるシナリオプランニングの可能性を表現するために、共通点や接点について着目して聞き、描きました。
・内容をわかりやすく整理する
・共通認識をつくる
・俯瞰して全体像を捉える
などのメリットがあるグラフィックレコーディング。
特に今回のような専門性が交差する場では、お互いの専門性の接点や共通点、話の全体観をその場でフィードバックすることで、「この話もしたい ! 」と話題が引き出され、話の活性化に役立ちました。
新井さん、ご依頼ありがとうございました。
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