プロジェクト紹介
概要
制作時期:2022年12月
ご依頼者様:一般社団法人Ecological Memesさま
制作したもの:オンラインでのプレゼンテーションや対話のグラフィックレコーディング
- いただいた期待
・フォーラム参加者が、セッション終了後にふりかえりで使える要約資料
・あとから手にとった人が内容に興味を持ち、アーカイブ動画を見たくなるような広報素材 - 取り組んだこと
・概念的、抽象的な内容を含んだ難易度の高い対話の、ある程度のリアルタイムでの制作
・非言語表現を含めた、セッションのテーマやエッセンスの表現
・セッション全体の話題を俯瞰した構造的な視覚化 - 実ったこと
・当日のふりかえりセッションで暫定版を共有。
セッションの熱量とともに、その場でグラフィックレコーディングの存在を知ってもらったことで、後日グラフィックレコーディングを手にとってもらえるよう参加者の印象に残した。
・SNSなどでアーカイブ動画のセッション内容の紹介や購入URLの告知を投稿する際、要約資料として添付。
ぱっと見て、どんなセッション内容だったか概要を伝え、アーカイブ動画視聴へ繋がる入り口となった。
取り組みについて
人と自然の関係の再生成をテーマに「様々な学際領域を横断する探究者・実践者の共異体」として活動する一般社団法人Ecological Memesさん。
今年のフォーラムのテーマは、アニミズム。
人類学、民族学、哲学、芸術、テクノロジー、ファッション、食や農業などの領域で活動する国内外の実践者・研究者・アーティストをゲストに迎え、世界各地で伝わるアニミズムや神話に焦点をあてて、二日間にわたり対話や議論を重ねます。
いつしか私たちは、
みえない世界への経路を
見失ってきてしまったのかもしれない。世界にはたくさんの穴がある。
はたまた、森羅万象に宿るめぐりの環から
自らを切り離してきたのか。いのちと、モノと、わたしと、世界をめぐる風が吹く。
多元的に絡まり合う複数のリアリティと、
未来への神話を紡ぐ手がかり。
一と多のあわいを漂うように。
AWAI Global Forum 2022 by Ecological Memesアニミズムと出会いなおす~生命の多世界と交わる術~
地球生態系やわたしたちの生きる根幹が危機にさらされている現代社会。
そんな、わたしたちをとりまく様々な存在との関係がかつてなく問われる時代における新しい思考を探究する試みのなかで、アラワス( 関美穂子 )は、ゲストのプレゼンテーションや対話のグラフィックレコーディングを担当しました。
制作物
DAY1:人類学とアートから眺めるアニミズム:西洋と東洋、科学と宗教
①プレゼンテーションパート
まずはキックオフセッション。
人類学者の奥野克巳さんと、アーティストのAnais Kareninを迎え、現代社会におけるアニミズムの今日的意義を議論しました。
アニミズムの人類学的系譜を辿りながら、日本文学や仏教と絡め、「人間だけが地球の主人ではないとする思想」とアニミズムを定義する奥野氏。
それを体現するように、傾聴や祈りの行為を通じて植物や石の声を直観で聞き取り、先住民の伝統知を掛け合わせ芸術として表現するカレニン氏。狩猟採集民のコスモロジーから日本文学、コロニアルな歴史から科学的リアリティまで、今日の文脈においてアニミズムを捉えなおす手がかりを模索しました。
EcologicalMemes(@Twitter)
このセッション前半の一番のポイントは、理論と実践で活動するお二人のプレゼンテーションの共通点。
セッションのなかでつながりを感じたそれぞれの発話内容を、明度や彩度を上げて一番目立つ形で表現し、繋げました。
②対話パート
奥野さんとAnais Kareninさん、そしてモデレーターの田代周平さんが加わり、対話が進みます。
「なぜ今、アニミズムが注目されているか」を背景情報として、区切って配置。
その他の話題を小見出しや問いとそれに応じた内容で表現しました。
また、セッション全体を通して注目されてきた
・ルネサンス期以降の科学合理主義
・アニミズムの考え方
を、対比的な形で配置。
科学的な世界を土台としながら、アニミズムと出会いなおそうとする対話の視点をあらわしました。
DAY1:人類学とアートから眺めるアニミズム:西洋と東洋、科学と宗教
DAY1の最後は、リフレクティブ・クロストーク。
アーティストの大小島真木さん、人類学者のGuido Sprengerさん、ソーシャルイノベーション研究者の大室 悦賀さんにより、1日の内容をふまえた対話が行われました。
コアを共有したアニミズムが各地で表出している様子、そのなかに潜り、探求しようとしている様子をDAY1のキービジュアルとして中心に置きました。
「アニミズムと出会いなおす」ための、ポイント2つを白抜き文字で、重要なキーワードや問いを赤文字で。
それぞれ強調の意味を使い分け、制作しました。
DAY2:モノと身体をめぐるアニミズム -ポスト人間中心時代のファッションと物質文化-
①プレゼンテーションパート
DAY2は、ファッションデザイナーのRaquel Bujさんと、デザインリサーチャーの水野大二郎さんが「モノと身体をめぐるアニミズム」について、語り、探求します。
Raquel氏のトークでは、自然界の生物が作る巣からインスパイアされたコレクションを例に挙げ、自然や人工といった境界を作らず、私たちの身の回りにある様々な素材と、自然知、職人技、デジタルマニュファクチャリングやバイオマテリアルなどの技術をどのように融合させていくかが語られました。
水野氏とのダイアログでは、近代的な工業社会の中で広がった人間中心的なデザインからの脱却、とりまく世界と私たちの身体の関係を媒介する衣服(物質)の可能性や社会や人間に変容促すスペキュラティブなストーリーテリングといったテーマに切り込んでいきました。
まさに、1日目と2日目のセッションを包括し、思考と実践例、未来の可能性を行き来した視点が飛び交うセッションとなりました。
EcologicalMemes(@Twitter)
Raquel Bujさんが制作したコレクションをイラスト化して、事例として下部に配置。
大事にしている思考や想いをシャボン玉のようなグラレーションの色味で、上部に表現することで、プレゼンテーションのエッセンスを表現しました。
DAY2:モノと身体をめぐるアニミズム -ポスト人間中心時代のファッションと物質文化-
(対話パート)
②対話パート
デザインリサーチャーの水野大二郎さんが加わり、対話が進みます。
近代的な工業社会と、あたらしいものづくりの形
それぞれの服の作り方、人工物に対する意識、自然との関係をマトリクス状に配置して整理しました。
英訳版
英語話者の参加者も多かったため、後日指定された英訳文の差し替え版も制作しました。
アーカイブ(一部公開)
DAY1のリフレクティブセッションなど、Youtubeで一部無料公開されています。
アーカイブ購入リンク
セッションはすべて、こちらの通販サイトから購入できるようです。
ご関心のある方に届きますように… !
改めまして、このたびはお声がけありがとうございました。
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